子どもの頃は、自転車に乗れるようになるために何度も転びながら練習をしたものです。
転ぶということに対して、抵抗感の少なかった子どもの頃とは違い、大人になり歳を重ねるにつれて、身体に与えるダメージも大きくなります。
特に高齢者では、転倒によって骨折するといったケガにより、寝たきりや場合によっては命に関わる場合もあるため転倒には十分な注意が必要です。
⇩ ⇩ ⇩
東京消防庁が発表している「救急搬送データから見る高齢者の事故」では、日常生活動作における事故の8割以上が転倒によるものとされています。
そして、転倒件数全体の56%が住宅敷地内での転倒と発表されています。
こんにちは!まろです。
東京から阿蘇・小国郷へUターン。
普段は理学療法士として、小児の発達支援やリハビリ特化型のデイサービスで介護予防を目的に運動指導を行っています。
↓ ↓ ↓
地域ケアの活動にも参加してます!
住み慣れているはずの自宅。
ですが、意外なところに危険が潜んでいます。
- これからも安心してこの家で暮らしたい!
- どんな人が気をつけた方がいいの?
- 今からできる転倒を予防する方法は?
今回は、転倒しやすい人の特徴と、自宅内での転倒を予防するための対策についてまとめてみました。
自宅からあまり出ないということが、転倒による事故を回避できるとは限りません。
今回は、住み慣れているはずの自宅で、どのような要因で転倒につながるのか考えてみましょう。
転倒しやすい場所
自宅内での転倒において最も多い場所が「居室と寝室」です。
意外にもあまりカラダを動かさないであろう場所で、多くの方が転倒されています。
転倒という現象は、転びやすさを生み出す内的要因(身体機能の要因)と外的要因(建物や構造の要因)の結果として起こります。
⇩ ⇩ ⇩
外的要因である建物の構造や床面、履物などへの対策はもちろんのこと、内的要因である身体機能の低下による転倒のリスクを正しく知って具体的な予防策を立てましょう。
転倒につながりやすい要因
内的要因
- 身体機能、体の内側の問題
- 高齢である
- 転倒した経験がある
- 筋力や体力の低下がある
- 感覚障害がある(深部感覚障害・ロンベルグ徴候)
- バランス能力の低下がある
- 虚弱である
- 慢性疾患がある(脳血管障害、めまい、不整脈など)
- 認知機能の低下がある(認知症、せん妄、見当識障害)
- 薬を服用している(鎮痛剤、抗精神病薬)
外的要因
- 建物の構造や生活家具の配置
- 階段
- 段差
- 滑りやすい床
- 障害物(コード類、物の散乱)
- 履物(スリッパ)
- 部屋が暗い
- 手すりがない
外的環境を整えて転倒を予防する
特に転倒の多い「居室と寝室」の環境を整えましょう。
夜間のトイレに備えた対策
- 寝具はベッドを使用すると起き上がりや立ち上がりが楽になるため、布団を使用している人は、ベッドに変更することをおススメします。
- 立ち上がり動作は特に転倒の危険性を高めます。特に暗闇の中での立ち上がりは転倒の危険性が増すため、照明スタンドやリモコンなどを寝具周りに置いて立ち上がる前に部屋を明るくできる環境を整えておくと良いでしょう。
廊下は明るくする
- 薄暗い中を移動することは転倒の危険性を高めます。廊下に出たらすぐに照明のスイッチを入れられる状況にして、電球も明るいものを設置しましょう。
段差がある所には手すりを付ける
- 古い家屋の玄関では、腰をかけて靴の着脱ができる高さのある段差が存在する場合もあります。
- 段差の上り下りで転倒の危険性が高まります。
- 手すりを設置して安全に段差の上り下りができるように調整しましょう。
電源コードを張り巡らさない
- 冬場は特に電気カーペットやファンヒーターといった電化製品が増えます。
- コンセントにたくさん電源コードを繋いでしまうと、それに躓いて転倒する危険性を高めます。
- 通り道に電源コードが通らないように家電の配置には注意しましょう。
自宅だからといって油断しない
おっと!危なかった💦
今までに、自宅内で冷や汗をかいた瞬間はありませんか?
ケガに繋がるような大きな事故を起こす前というのは、意外に前兆のような出来事があったりします。
もし、そのような瞬間があれば、そのまま放置していると転倒といった大きな事故に繋がるかもしれません。
住み慣れた自宅では、油断します。
現に転倒は外よりも室内で起きています。
「大丈夫!大丈夫!」から「大丈夫かな…」という意識に変えて、自宅環境を整えて転倒予防に努めましょう。